丸山虎ノ門法律事務所

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運送代金債権の消滅時効について

 「運賃を請求しても、お客さんが支払ってくれない」という事態が稀に起こります。
しかし支払がないまま運賃支払日から1年が経過してしまうと「消滅時効」となり、相手方に対する運賃債権が消滅してしまいます(民法第174条第3号、商法第589条、同第567条)。そこで、そうした事にならないために、きちんとした対策を講じることが必要になります。
●消滅時効を防ぐ方法1-時効を中断する
 消滅時効を防ぐ方法としては、まず、時効の中断があり(進行中の時効期間がリセットされて、再び時効がゼロから始まること)、民法では、以下が規定されています。

(1)裁判上の請求
訴訟を提起して支払いを求めること。内容証明郵便などを送付して、支払請求送付しただけでは、裁判上の請求にはなりません。
(2)差押え、仮差押え及び仮処分
(3)承認  

 (1)、(2)については,簡易裁判所などに直接足を運んで手続きをしなければなりませんが、相手方が「料金は払うがもう少し待って欲しい」などと言うのであれば、(3)の方法で時効を中断することができます。こうした場合は、相手方に「今現在、△年△月△日に行った□□□□の運賃○○○○円が未払いである事を確認する」という日付入りの文書を書かせ、自筆の署名・捺印をさせて、公証役揚で確定日付を押してもらっておくと良いでしょう。また、全額請求したうえで運送代金債務の一部を弁済させることも(3)に該当します(金融機関から振り込ませて日付を確定させたり、残債について日付入りの文書を書かせたりすることを併せて行う)。但し、承認から1年が経過してしまうと、消滅時効は完成してしまいます。

●消滅時効を防ぐ方法2-時効の完成をひきのばす
 消滅時効を防ぐ2つめの方法として、催告によって時効の完成をひきのばす方法があります。催告とは内容証明郵便等で相手方に督促する(債務の弁済を請求する)ことを指します。「請求書や内容証明郵便を送り続ければ問題ない」と思っている方がいるようですが、催告は裁判外で権利を主張することになりますので、催告自体に時効を中断する効力はありません。また、消滅時効完成前に催告を行うことにより、消滅時効の完成を遅らせることができますが、催告後6ヶ月以内に訴え(少額訴訟を含む)を起こすか、支払督促や和解や調停を申し立てて相手方を呼び出すなどの手続きを踏まないと、やはり消滅時効は完成してしまいます。(民法第153条)

 以上の通り、運送代金債権に係る消滅時効の中断の手続きについてはいくつかの方法があります。相手方からの支払いが滞り消滅時効が完成しそうな場合は、相手方に運送代金債務を承認させる方法が比較的便宜となりますが、相手がなかなかつかまらない場合などは、承認させることができないため、他の方法を選択しなければなりません。この場合は、早い時期から内容証明郵便等で債務の弁済を請求し、期日までに支払われないときは、少額訴訟または支払督促を選択するのが一般的です。

 なお、内容証明、少額訴訟及び支払督促の手続や詳細については、組合員の方に資料を配付していますのでご連絡ください。


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